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保育士に定年はないってホント?長く続けるコツや転職について解説!
保育士は何歳まで働けるか、考えたことはありますか?
保育士の資格試験に年齢制限はなく、一度取得すれば一生モノ。働き方次第で、定年を過ぎても働けます。
でも、
「体力的にきついのでは?」
「将来のキャリアや定年後が不安」
と心配な方もいるでしょう。
そこで今回は、保育士の定年事情を解説!
長く働くコツやキャリアアップの道筋、転職についてもお伝えします。
ずっと保育士を続けたい、定年後も保育に関わりたいという方はぜひ参考にしてくださいね。
ほい子
出産によるブランクから復職した保育士。定年後も生涯現役保育士をめざしたい。
ほいくろにゃん
ほいく畑に住みついた、黒ネコずきんのいきもの。保育業界に詳しく、ほい子のよき相談役。早く引退してゴロゴロしたい。
何歳まで働ける?保育士の定年事情
2021年の法改正により、70歳までは就業の機会を設けることが、企業の努力義務となりました。意欲があれば、年齢に縛られず働ける時代が近づいています。
では、保育士は何歳まで働けるのでしょう。
一般企業と同じく、多くの保育園でも定年が設けられていますが、公立保育園か私立保育園かによって、少し事情が変わります。詳しく見てみましょう。
公立保育園で働く保育士の定年
公立保育園で働く保育士は、「公務員保育士」と呼ばれ、地方公務員と同じ勤務条件となります。
公務員保育士の定年は、以前は60歳でしたが、2023年以降は段階的に引き上げられ、2031年以降は65歳になります。
定年が65歳になる2031年までは、希望すれば、再雇用で65歳まで働けます。その後も、先にお伝えした就業機会の確保により、70歳までは働き続けられる可能性が高いでしょう。
ただし、公立保育園で働くには、公務員試験に合格する必要があります。公務員試験の受験には、自治体ごとに29~35歳までの年齢制限が設けられています。
公立保育園は、労働条件が良く、長く働けることに定評がありますが、ミドル・シニアになってからの就職は難しいと言えます。
▼公務員保育士について詳しく知りたい方はこちら
私立保育園で働く保育士の定年
私立保育園の定年は、経営母体により様々です。
60歳定年・65歳までの再雇用制度を設けているところが多いですが、時代の流れに乗り、65歳定年・70歳までの再雇用という園も増えています。
私立保育園においては、保育士の求人に定年以外の年齢制限はほとんどありません。働きやすい環境を整備し、60歳以上の保育士の採用に意欲的な職場もあります。
正社員はもちろん、パートやアルバイト、派遣など多様な雇用形態があり、ご自身のライフスタイルに合わせた働き方が叶いやすいでしょう。
体力と気力がある限り続けられる保育士は、実質、定年なしとも言えるわね。
でも、その体力と気力がいつまでもつか心配なの。お給料もなかなか上がらないし…。
確かに、長く続けたくても、いろんな悩みや不安がありそうね。次の章で見てみましょう。
保育士を長く続けるのが不安な理由とは
厚生労働省の調査によると、保育士の平均勤続年数は7.8年。平均年齢は36.7歳です。
※出典:「保育士の現状と主な取組/厚生労働省」
40代を手前に、「このまま保育士を続けていけるだろうか」と不安になる保育士は多いのではないでしょうか。
考えられる不安を挙げてみましょう。
保育士の不安① 体力の低下
保育士は、おんぶや抱っこ、外遊びなど、とにかく体力を使う仕事。肩こりや腰痛に悩まされる人もたくさんいます。
残業や持ち帰り仕事が多い職場では、疲労も蓄積しがち。若いうちは何とか乗り切れても、体力が衰える30代40代以降はキツイのではないかと不安になるようです。
保育士の不安② 給料が上がらない
勤続年数7.8年、36.7歳の保育士の平均月給は約24.4万円。手取りにすると、20万円前後です。
※出典:「保育士の現状と主な取組/厚生労働省」
「新卒の頃からほとんど上がらない」という声もあり、この収入で、結婚や出産、育児、介護などのライフステージの変化に対応できるか、老後の資金を確保できるかと不安が膨らみます。
保育士の不安③ 責任が重くなる
保育士として経験を積むにつれ、責任あるポジションや役職を任されることが多くなるでしょう。ところが、保育士の約7割は、役職への就任を希望していないという調査があります。
■役職への就任を希望しない理由
※グラフは「東京都保育士実態調査/東京都」を参考に当社が作成
グラフからは、給料が上がらないのに、責任だけが重くなって保育に専念できなくなる事態を回避したい気持ちが読み取れます。「性格的に、人の上に立つのは向かない」という人も多いのかもしれません。
ああ~わかる~。定年を越えても保育士であり続けたい気持ちと、体力・待遇面との板挟み…。
そんなに悩まず、もっと柔軟に考えてみたら?
どういうこと?
ほい子だって、出産でいったん保育士を辞めたけど、復職したじゃない。ライフスタイルに合わせて、職場や働き方を変えればいいのよ。
保育士は何歳まででも転職OK!長く続けるポイントは?
保育士の仕事を続けたいのに、定年までや定年を過ぎても働くことに不安な場合は、思い切って、今いる環境を見直してみましょう。
好条件の職場に転職する
今の職場の給料や労働条件に不満がある場合は、別の保育園への転職を検討しましょう。慣れた職場を変わるのは勇気がいることかもしれませんが、保育士の処遇改善が進む中、今よりも働きやすい職場は見つかるはずです。
保育の現場はどこも人手不足ですので、実務経験のある保育士は即戦力として歓迎される傾向です。
それに、保育士の活躍の場は保育園や認定こども園だけではありません。ベビーシッターや学童クラブなどにも目を向けてみてもいいかもしれませんね。
▼保育士の転職についてもっと知りたい方はこちら
フルタイムにこだわらない
パートやアルバイトとして、1日3~5時間程度の短時間勤務なら、体力的な負担は少ないでしょう。担任など責任あるポジションを任されることはまずありませんし、連絡帳の記入や保護者対応などの負担も少なく、保育業務に専念できると考えられます。
早朝や夜間のみなど、人手の少ない時間帯だと、通常より高い時給が設定されている場合もあるでしょう。空いている時間帯だけ働けるので、家事や育児で忙しい主婦や、体力的に無理をしたくないミドル・シニアにおススメです。
▼パート保育士について詳しく知りたい方はこちら
派遣保育士になる
正社員ではなく派遣という働き方を選ぶ道もあります。派遣会社に登録しておけば、専任のコーディネーターから希望条件に合う職場を紹介してもらえますので、自分で求人を探す手間が省けます。
高時給の求人が多く、フルタイムでしっかり稼げますし、役職を任されることもありません。契約満了すれば次の職場に移れますので、職場の雰囲気や人間関係が合わなくても、煩わされる心配は少ないでしょう。
▼派遣保育士について詳しく知りたい方はこちら
厚生労働省認可の就職支援センター「ほいく畑」では、保育士をずっと続けたいあなたの転職活動を応援しています。
近所でいい求人がないか知りたい」「今すぐではないが、転職について相談したい」「定年後に働ける職場を探したい」という方、「利用は完全に無料ですので、お気軽にご連絡ください。
- 保育士は、定年を過ぎても70代でも就業OK!
- ミドル・シニア世代の採用に意欲的な職場は増加傾向
- 保育士として長く働ける職場・雇用形態を選択しよう!
この記事を書いたのは
「教えて!ほいくろにゃん」 シリーズは、
保育士の就職・転職をサポートする「ほいく畑が、保育のお仕事や業界に関する情報をお届けする、お役立ちコラムです。
ほいく畑では、あなた専任のコーディネーターが、今回お届けした情報など専門的な立場からお仕事探しのサポートを行います。
厚生労働大臣認可の就職支援センターなので、利用は無料です。
「お仕事に関する不安や、悩みを聞いてほしい」という相談だけでもOKですので、まずは気軽にご連絡ください!
話を聞いて、将来的な不安が軽くなったわ。ありがとう!
保育士の仕事って、意外と年を取っても続けられるものよ。声を出して動き回る分、体が鍛えられるし、毎日子どもから元気をいっぱいもらえるわ。
確かに、ベテラン保育士は若々しい人が多いかも!よーし、私も美魔女保育士として末永く頑張ろうー!
何か方向性が違うような…?ベテランらしく、保育スキルもしっかり磨いてね。
この記事の監修者
本コラムは、「ほいく畑」を運営する株式会社ニッソーネットが、専門家の監修のもと執筆しています。
■監修者
川村 直弘
(かわむら なおひろ)
保育士の就職・転職支援事業の統括責任者として、10年以上にわたり、保育士のキャリアサポートに従事。数百名を超える保育士の支援実績が認められ、各自治体の保育士確保対策事業を長年にわたり受託。責任者として運営に携わり、保育業界の活性化に貢献した。現在は、これまでに培った知識やノウハウを活かし、保育・福祉分野の人材育成に尽力している。
みんな、保育士は何歳まで働けるかわかったかしら?
豆知識では、保育士のキャリアや給料について解説するわ。キャリアアップして、主任や園長を目指したい保育士は参考にしてね。
保育士のキャリアパス
定年の延長や再雇用制度など、60歳を過ぎても働ける環境が整ってきているからこそ、年齢だけなく保育の質も上げていきたいものです。
保育士としてのスキルを磨き、昇給や昇進につながる制度に「保育士等キャリアアップ研修」があります。
「保育士等キャリアアップ研修」は、実務経験3年以上の保育士が、保育に関する8つの専門分野から、興味のある分野を選んで受講できる研修です。
■保育士等キャリアアップ研修で学べる8つの専門分野
①乳児保育 ②幼児保育 ③障がい児保育 ④食育・アレルギー対応 ⑤保健衛生・安全対策 ⑥保護者支援・子育て支援 ⑦マネジメント ⑧保育実践
専門分野の学びを深めることにより、保育士として着実にスキルアップできます。さらに、履修数および経験年数に応じた役職に就くことができ、給料もアップします。
■保育士等キャリアアップ研修で就ける役職と昇給額
役職 | 就任要件※1 | 昇給額※2 |
---|---|---|
副主任保育士 | ・マネジメント+3分野以上の研修を修了 ・保育士実務経験7年以上 ・職務分野別リーダーを経験 |
月額4万円 |
専門リーダー | ・4分野の研修を修了 ・保育士実務経験7年以上 ・職務分野別リーダーを経験 |
月額4万円 |
職務分野別リーダー | ・1分野以上の研修を修了 ・保育士実務経験3年以上 |
月額5千円 |
- 1 新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、副主任保育士・専門リーダーは2023年より段階的に研修要件を適用。4分野の履修が必須となるのは2026年からとする。職務分野別リーダーは2024年より適用。
- 2 副主任保育士・専門リーダーについては、園の裁量により月額4万円以下になる場合があります。
▼保育士等キャリアアップ研修の仕組みもわかる!保育士の処遇改善についてもっと知りたい方はこちら
2017年に保育士等キャリアアップ研修がスタートするまでは、保育士の役職と言えば園長や主任くらいしかなく、若手や中堅がキャリアップしづらい状況でした。
保育士として脂がのってくる3~7年目にめざせる役職があることは、保育士を続ける大きなモチベーションとなると期待されています。
着実に収入を増やしたい方、将来的にリーダー職や園長を目指したい方は、早めに受講しましょう。
保育士の給料
「なかなか上がらない」と言われる保育士の給料ですが、定年まで勤めあげると、どれくらいもらえるのでしょう。年齢・経験年数別に調べてみました。
■年齢別の保育士の給料
年齢 | 月収 | 年収 |
---|---|---|
20~24歳 | 20.9万円 | 299.9万円 |
25~29歳 | 23.2万円 | 350.8万円 |
30~34歳 | 24.4万円 | 367.8万円 |
35~39歳 | 25.2万円 | 381.2万円 |
40~44歳 | 25.5万円 | 389.1万円 |
45~49歳 | 25.7万円 | 391.9万円 |
50~54歳 | 27.9万円 | 3431.6万円 |
55~59歳 | 28.1万円 | 430.3万円 |
60~64歳 | 26.4万円 | 394.7万円 |
65~69歳 | 24.3万円 | 359.3万円 |
■経験年数別の保育士の給料
経験年数 | 月収 | 年収 |
---|---|---|
0年 | 20.7万円 | 256.7万円 |
1~4年 | 22.2万円 | 330.2万円 |
5~9年 | 23.8万円 | 361万円 |
10~14年 | 25.4万円 | 381.9万円 |
- 表は「令和2年賃金構造基本統計調査/厚生労働省」を参考に当社が作成
- 端数は切り捨て
- 月給は、手取り額ではなく税込み額
- 年収は「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与・その他特別給与額」を足した金額
保育士の年収は、年齢・経験年数に応じて増える傾向ではありますが、50~54歳の431.6万円がピーク。一般企業などと比べると、まだまだ低い水準かもしれません。
特に、最近少しずつ増えている男性保育士は、「この給料では結婚しても家族を養えない」と将来に不安を感じることでしょう。
ただし、紹介した表はあくまで平均額。実際は、主任・園長クラスでは役職手当がついて、高収入となっている可能性もあります。
それに、保育士の給料水準は職場により差があります。納得のいく給料をもらえる職場で働くためにも、保育士としての経験値やスキルを高めたいですね。
▼保育士の給料についてもっと知りたい方はこちら
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